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スモールワールズ (講談社文庫)
一穂ミチ
講談社
2023-10-13



Tairaオススメ度:★★★★★
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2022年本屋大賞第3位 
第43回吉川英治文学新人賞受賞!
共感と絶賛の声をあつめた宝物のような1冊。

ままならない現実を抱えながら生きる人たちの6つの物語。

夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。
「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。
初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。
人知れず手紙を交わしつづける男と女。
向き合うことができなかった父と子。
大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。
誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
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以前読んだ「光のとこにいてね」があまりにも素晴らしかったので、一穂ミチ著の作品をもっと読みたいなと思い手に取ったのがこの本。

人間の弱さ強さ脆さ儚さそして美しさにそっと触れるような、そんな静かな感動が心に迫る素敵な作品でした。

本作は、「ネオンテトラ」「魔王の帰還」「ピクニック」「花うた」「愛を適量」「式日」という6つの物語で構成されています。

それぞれ趣の異なる物語ですが、どの物語も、人生の愛おしさが詰まった話でした。

この本を読み終えた後、目の前の景色や関わる全てを受け止めていくことも案外悪くないかもねと、そう思えるようになりました。

静かに人生を見つめ直したい。そんな気分の方に是非おすすめの作品です。