
Tairaオススメ度:★★★☆☆
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わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された──
新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。
十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』。
笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。
香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。
そこには隠された驚愕の「真実」があった……
令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。
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こういう物語を読むと本当に辛い気持ちになる。
それと同時に、人を信じることの危うさや、思うままに相手に何かを伝えることがいかに軽率かを思い知らされます。
人は誰かに何かを話すときに、どこまで考えた上で発言しているんだろうか。そして相手の発言についてどこまで考えを馳せているのだろうか。
この小説のように、相手の先を読み、または先を読まれ、悶々と考えながら他人に接しないといけない世の中なんだろうか。
他人を下げることで、陥れることで、自分の立ち位置をあたかも上であるかのように主張する人がいることは確かで、そんな罠に嵌ってしまわないように日々警戒しながら生きていく。そんな人生は本当に嫌だなと、この本を読みながら、そんなことばかりを考えていました。
正直、この物語が何を伝えたいのかは僕には分かりませでした。
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