
Tairaオススメ度:★★★☆☆
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『三匹の子豚』が朝ドラで大ヒットした斉川亜樹。
鳴かず飛ばずの時代からようやく抜け出し、忙しくも穏やかな生活を送っていた。
そんなある日、彼女のもとに武蔵野市役所から一通の封書が届く。
その内容は、会った覚えもない、叔母の赤松三代子なる人物の扶養が可能かどうかという照会だった。
亜樹はパニックに陥る。
見ず知らずの叔母の面倒を本当にみる義務があるのか――と。
混乱しつつも役所からの問い合わせは放置していると、急に固定電話が鳴る。
電話を取ると、相手は開口一番、赤松三代子のことで話があるという。
問い合わせの回答をしていなかったので、役所からの電話かと思いきや、
『NPO法人 ありがとうの里』の菊村藍子という人物からだったとわかる。
彼女は、会って三代子の話がしたいと言う。仕方なく会う約束をした亜樹だったのだが――。
真梨ワールド炸裂!
衝撃の結末にページをめくる手が止められない!
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やや捻りすぎかなという印象が否めない物語でした。
三姉妹やその子供たちに関わるものすごい執念に比べ、動機がやや弱いように思いますし、そもそも、そんな思い通りに物事を進めることができるのかと、ところどころ気になってしまう場面があるように思います。
真梨幸子作品特有の、不穏な空気を纏った文章や物語の世界観は健在なのですが、そんなイヤミスの度合いを増そうとした結果、無理矢理感が出てしまっているのではないかと感じます。
とはいえ、真梨幸子の作品はやっぱり面白いなと思いました。
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