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鵜頭川村事件 (文春文庫)
櫛木 理宇
文藝春秋
2020-11-10



Tairaオススメ度:★★★★☆
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3年ぶりに帰った故郷は、狂気に満ちていた
父と娘は、閉ざされた狂気の村から逃げられるか
墓参りのため、亡き妻の故郷・鵜頭川村を三年ぶりに訪れた岩森明とその娘。
突然、豪雨にみまわれ、山間の小さな村は土砂崩れで孤立。
そして、若者の死体が発見された。
犯人は村人か、それとも――。
降りしきる雨の中、父と幼い娘は暴動と狂乱に陥った村から脱出できるのか。
血と恐怖のパニック・サスペンス!
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閉鎖的で排他的な村。
そこには、一般的な常識とはまた違うヒエラルキーや秩序が存在していて、それが理不尽なことであったとしても受け入れざるを得ない。

この作品は、そんな閉ざされた村で殺人事件が起きたところから物語が始まっていく。

殺人事件をきっかけに、日々の鬱屈した暗い思いが正義感という名の下に歪んだ暴力へと繋がっていき、まさに狂乱を引き起こす様は、非現実的なようで意外と現実の世界でも簡単に起こり得るのではないだろうかと思いながら読み進めた物語だった。

まさにページを捲る手が止まらない、そんな一気に引き込まれる作品でした。