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償いの流儀
神護 かずみ
講談社
2020-08-26



Tairaオススメ度:★★★☆☆
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正義の鉄槌?
なんて柄じゃないけど

オレオレ詐欺に遭った「角のおばちゃん」の仇を取ろうと証拠をつかんだ詐欺集団を匿名で警察に通報したつもりが、逆に逮捕を逃れた残党に居場所を知られ、復讐の標的に。
背後の組織をつかみ切れない奈美が選んだ窮余の策とは?

企業のトラブル請負という仕事をめぐって最愛の恋人・雪江と師を続けて亡くした西澤奈美は心の整理がつかず空虚な日々を送っていた。そんな彼女が親しみを寄せるタバコ屋の上井久子がオレオレ詐欺に遭う。
久子を慰める術を持たない奈美だったが、自分が入居する雑居ビルのオーナーから隣のビルに入った怪しげな会社が詐欺集団ではないかという見立てを聞き、密かに証拠をつかみ匿名で警察に通報する。しかしその後、逮捕を逃れた残党の影がちらつき、たびたび襲撃を受けるように。
奈美は、彼女が育った児童養護施設の後輩で雪江を慕っていたという松井の協力を得て久子を騙した犯人を突き止め、ついには自ら拉致されて敵地に辿り着くという無謀な賭けに出る……。

満身創痍の西澤奈美、絶体絶命!
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少し現実感に乏しいような。そんな物語でした。

主人公のスパイ的な立ち居振る舞いがプロの技術なのか、単に素人の慎重な動きなのか、その線引きが分からなくて、きっと前者なんだろうと思い読み進めていたら、最後に、あれ?違うのかなと思うような展開になったり。
主人公の立ち位置が最初から最後まで定まっていないように感じます。

もしかすると、前作でその辺がきちんと説明されているのかな。
それであれば前作を読んでいない僕の問題ですね。

とはいえ、人を騙す人たちの狡猾さと、そんな人たちの裏をかくための瞬時の判断とその緊張感に溢れた内容は、とても面白かったです。

とりあえず前作を読みたいと思います。