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イノセント・デイズ(新潮文庫)
早見和真
新潮社
2017-08-18



Tairaオススメ度:★★★★★
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正義は一つじゃないかもしれないけど、真実は一つしかないはずです
放火殺人で死刑を宣告された田中幸乃。
彼女が抱え続けた、あまりにも哀しい真実――
極限の孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。

田中幸乃、30歳。
元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪により、彼女は死刑を宣告された。
凶行の背景に何があったのか。
産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人など彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がるマスコミ報道の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。
幼なじみの弁護士は再審を求めて奔走するが、彼女は……
筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
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深く考えさせられる物語でした。

人の幸せとは何だろうか。
田中幸乃の抱える悲しみはどれほどだっただろうか。

他人から手を差し伸べてもらうこともなく、それどころか他人の都合に振り回され続け、優しさを与えられることもなく、そうして優しさに縋ることを諦め、自分の人生を静かに終えたいと願う気持ちとは。

あまりにも、本当にあまりにも哀しい物語に、胸が締め付けられました。

本が好きな方には是非手にとって欲しい作品です。