Tairaオススメ度:★★★☆☆
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私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。
絶対に許してはいけない。
学内で“皇帝”と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、恐喝者の排除を決意し実行に移す。
犯行計画は完璧なはずだった。
そう確信していた。
あの男が現れるまでは。
―倉知淳初の倒叙ミステリ・シリーズ、全四編を収録。
“刑事コロンボ”の衣鉢を継ぐ警察官探偵が、またひとり誕生する。
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しっかり謎解きをしてくれるミステリーだけど、主人公の刑事があまりにも隙がなさすぎて、若干リアリティに欠けるような、そんな感想かな。
紆余曲折の結果、真相に辿り着くというよりも、最初から明確な真相を知っていて、それを小出しにしながら犯人を追い詰めていくような物語の展開なので、どちらかというと犯人に感情移入してしまう。
とはいえ、古畑任三郎のミステリーを見ているようなテンポ良い物語構成なので、最初から最後まで飽きることなく楽しく読み進めることができた。
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