Tairaオススメ度:★★★☆☆
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瀬戸内海に浮かぶ霧久井島は、かつて一世を風靡した霊能者・宇津木幽子が生涯最後の予言を遺した場所だ。
彼女の死から二十年後、“霊魂六つが冥府へ堕つる”という―。
天宮淳は幼馴染たちと興味本位から島へ向かうが、宿泊予定の旅館は、怨霊が下りてくるという意味不明な理由でキャンセルされていた。
そして翌朝、幼馴染のひとりが遺体となって発見される。
しかし、これは予言に基づく悲劇のはじまりに過ぎなかった。
不思議な風習、怨霊の言い伝え、「偶然」現れた霊能者の孫娘。
祖母の死の真相を突き止めに来たという彼女の本当の目的とは…。
あなたは、真実に気づくことができるか―。
比嘉姉妹シリーズ著者初の長編ミステリ。
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決して面白くないわけではないけれど、強引にミステリー要素を足したことで、テンポが悪く、ところどころで違和感を覚える、飲み込みづらい物語になってしまっているように思う。
登場人物の描写もどこか定まっていないため、いまいち人物像をイメージし難く、その結果物語に入り込めないまま話が進み、クライマックスで真相が解明されても、驚くよりもむしろ戸惑いの方が大きい。そんな印象だった。
大胆な真相だけに、とても残念な気持ちになってしまった。
謎解き要素は少なくして物語に引き込んでいく作品にした方が良かったのではないかと、そしてあえて霊的な力を持つ登場人物を排した作品にしても良かったのではないかと、そんな勝手なことを思ってみたり。
とても期待して読んだだけに物足りなさを感じてしまった。そんな作品だった。
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