Tairaオススメ度:★★★☆☆
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大切な人の突然の死。
魂だけでもいつも傍にいて欲しいと願う気持ちが、見えない何かを引き寄せるのかもしれない。
二十年前、男友達が自死した。
彼の想いを素直に受け入れられなかった若い自分。
そして今、恋愛に失敗し、仕事にも行き詰まった私は、様々な思いを抱え彼が最後に泊まった岬のペンションを訪れる―。(「岬へ」)
生と死のあわいに漂う不確かな存在を、妖しく描き出す幻想怪奇小説集。
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7つの短編からなるこの本。
怪談と言っても恐怖を煽るような話ではなく、現実と死とのはざまに静かに寄り添うような、美しい物語だった。
人が死ぬということ、死んだ後に残された人がいるということ、そんな物語が儚く切なく語られていた。
いずれの物語も「静謐」という言葉がまさに合う素晴らしい短編集だと思う。
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