Tairaオススメ度:★★★★★
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深夜のコールセンターで働く「僕」は、3000円で賭けに乗り、さえない上司・映子との模擬恋愛を始める。
自尊心ばかり肥大した男と、自己卑下にとり憑かれた女。
孤独だった二人の魂がようやくひとつになったとき、男は滅びはじめる…
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この前読んだ「コンビニ人間」もそうだけど、斜に構えることでしか自己を表現できず、他人とは違うと自尊心ばかりを肥大させ、そして孤高と孤独を履き違える。そんな登場人物がこの作品にも出てくるんだけれど、それをバカだなと笑えない僕がいる。
自分を何か特別な存在と思い込み、そうして端から誰からも相手にされていないことにさえ気づかない。それでもいつかはきっとなんて言っているんだから始末が悪い。
世の中はきっともっと単純で、自分の言動がそのまま自分に返ってくる。そういうものかもしれないなと最近思う。
もっと自分の周りを受け入れ、それが最も大切なことであるということをしっかり理解しないといけないなと、この物語を読んで心からそう思った。
この本に出会えて良かった。
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