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人間の顔は食べづらい
白井 智之
KADOKAWA/角川書店
2014-10-31




Tairaオススメ度:★★☆☆☆
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世界的に流行した新型ウイルスは食物連鎖で多様な生物に感染し、爆発的な数の死者をもたらした。
ヒトにのみ有効な抗ウイルス薬を開発した人類は、安全な食料の確保のため、人間のクローンを食用に飼育するようになる。
食用クローン人間の飼育施設で働く和志は、自宅で自らのクローンを違法に育てていた。
ある日、首なしで出荷されたはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が発生する。
和志は事件の容疑者とされるが、それは壮大な悪夢のはじまりに過ぎなかった―。
異形の世界で展開される精密でロジカルな推理劇。
第34回横溝正史ミステリ大賞最終選考会で物議をかもした衝撃の本格ミステリ、解禁。
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飲み込みづらい物語設定に苦戦しながらも読み進めてみたものの、思っていたよりも突き抜けていない中途半端な作品だったなという印象。

かなり奇想天外な設定なので、そのアイデアはすごいなと感心するけれど、それが中途半端なので、この設定にする必要が果たしてあったのかと、逆に王道な設定でこのミステリーを描いた方が良かったのではないだろうかと思ってしまった。

登場人物の設定も分かりにくくて、特に真犯人の印象は、主人公の視点で見るキャラクター設定と、物語の終盤に描かれるキャラクター設定とでは、あまりの変貌に無理がありすぎると感じてしまう。

ただ、いくつかの無理があるとはいえ、ミステリーという枠を外れることなく物語を完結しているという点では、ミステリー愛に溢れた作品だと思う。

難しいところだけど、星は2つかな。