
Tairaオススメ度:★★★★★
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第26回鮎川哲也賞受賞作
特殊技術で開発された、小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。
その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、次世代型ジェリーフィッシュの長期航空試験に臨んでいた。
ところがフライト中に、密室状態の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。
さらに、自動航行プログラムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。
脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。
精緻な筆致で描く本格ミステリ、新時代の『そして誰もいなくなった』登場!
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21世紀の「そして誰もいなくなった」という前評判どおり、とても面白い作品だった。
雪山に閉じ込められたジェリーフィッシュと言われる小型飛行船の中に搭乗した6人全員が死体となって発見される。しかも全て他殺という状況で。
その結末に向かうまでのジェリーフィッシュ内での物語と、結末が示された上でそれを捜査する刑事たちの物語を交互に描くという構成がとても面白くて、犯人は一体誰なのか、その謎を、刑事よりも先に解明したいぞ、そんなことを考えながら、一気に最後まで読み進めることができた。
ミステリー小説の面白さがギュッと詰まった素晴らしい作品だと思う。
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