グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション [DVD]グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション [DVD]
出演:ソン・ガンホ
ハピネット・ピクチャーズ(2007-01-26)
販売元:Amazon.co.jp
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Tairaオススメ度:★★★★★

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ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河、漢江(ハンガン)。
休日を、河岸でくつろいで過ごす人々が集まっていたある日、突然正体不明の巨大怪物<グエムル>が現れた!
河川敷の売店で店番をしていたカンドゥの目の前で、次々と人が襲われていく。
気付いた時には遅かった!カンドゥの愛娘、中学生のヒョンソがグエムルにさらわれたのだ!
さらに、カンドゥの父ヒボン、弟ナミル、妹ナムジュのパク一家4人は、グエムルが保有するウィルスに感染していると疑われ政府に隔離されてしまう。
しかし、カンドゥは携帯電話にヒョンソからの着信を受け、家族と共に病院を脱出、漢江へと向かう。
果たして彼らはヒョンソを救えるのか?
そしてグエムルを倒すことはできるのか!?
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先日観た「母なる証明」が、とても心に残る素晴らしい作品だったので、その監督であるポン・ジュノの他の作品も観てみようと思い立ち、今回選んだのはこの「グエムル」。

恐ろしい作品です。

もちろん面白い作品ではあるのですが、面白いの一言では到底表現できない、壮絶なドラマが、そしてテーマ性が、この作品には生々しく荒々しく描かれていました。

本当に凄まじい作品です。

巨大怪物が現れ次々と人々を襲う。という現実味を欠く設定でありながらも、そこに否応なく巻き込まれた一般的な家族が起こすであろう形が、徹底したリアリティを持って描かれていて、単純なモンスター映画とははっきりと一線を画す、切実なドラマ性を持った素晴らしい作品だと、僕は感じました。

ただ、政府や軍の雑な対応についてはやや疑問を感じなくもないですが、政府が想定外の問題に直面した時には、あながちこういう展開もあり得るのかも知れないなとも思いました。

それにしても、「母なる証明」にせよ「グエムル」にせよ、本当に素晴らしい作品だと思います。

いずれの映画も、単純なストーリー展開ではなく、すっきりと完結するエンディングでもないですが、それでも間違いなく心に残る作品だと僕は思います。