
著者:ジェフリー・ディーヴァー
販売元:文藝春秋
発売日:2003-05-31
おすすめ度:

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Tairaオススメ度:★★★
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不法移民は“すでに世に亡き者たち”。
蛇頭に金を払わなければ、殺される。
文句を言えば、殺される。
この世から消えたきり、二度と見つからない。
「リンカーン・ライム」シリーズ最新刊。
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久しぶりに海外のミステリー小説を読んでみようと思い、選んでみたのは、ボーン・コレクターで有名なジェフリー・ディーヴァーのシリーズ化されているミステリー小説。
感想はと言うと、とても読みやすくスピード感ある文体だけれども、今ひとつ緊張感とシリアスさに欠ける、そんな読後感でした。
移民を追う殺し屋の禍々しさの極みである残虐な殺人シーンを語っている場面でさえも、物語の場面と文体がマッチしていないように思え、作者が想定しているであろう恐怖感は僕には全く伝わってきませんでした。
また、主人公であるリンカーン・ライムの神懸かり的な推理力は、少々やり過ぎなのではと疑問を感じなくもないです。
地道に証拠を揃え犯人に迫っていくというよりも、閃いた直感の方が核心を衝いている場合が多々あって、読者が一緒になって謎を解いていくというよりも、明快に謎を解いていく様を、引いたところから見ているような、そんな感じを受けました。
それでも、一種のアトラクション的なエンターテイメント性は十分にあると思いますので、そういう意味ではとても面白く読める小説だと思います。
実際、読者を飽きさせないテンポの良さや作り込まれた登場人物達の転がる会話は心地良くて、それなりにボリュームのある小説でしたが、結構短時間で読み終えることができました。
ジェフリー・ディーヴァーの他の小説を読んでみるかどうか、非常に悩むところです。
今回は星3つでした。
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