
著者:村上 春樹
販売元:講談社
発売日:1987-09-10
おすすめ度:

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著者:村上 春樹
販売元:講談社
発売日:1987-09-10
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Tairaオススメ度:★★★★★
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いい尽くされた言葉より 心に残る この物語を……
この小説はこれまでに僕が1度も書かなかった種類の小説です。
そしてどうしても1度書きたかった種類の小説です。
これは恋愛小説です。
ひどく古ぼけた呼び名だと思うけれど、それ以外にうまい言葉が思いつけないのです。
激しくて、物静かで、哀しい、100パーセントの恋愛小説です。
――村上春樹
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先日の大分県に行った際に読んだのがこの本でした。
僕がこの本をはじめて読んだのは大分県で大学生をしている頃でした。
そしていくつかの年を経て、大分県に向かう飛行機や電車の中でまたこの本を読んでいることに、懐かしさと照れくささと喜びを感じます。
学生の頃この本を読み、僕はとても強く心を揺さぶられました。
特に感動めいた話が語られている訳でもなく、ロマンチックな恋愛が語られている訳でもないのに、僕の中にあった恋愛という考え方そのものを根底から覆されたような感動を受けました。
きっと今でも僕の中にある恋愛という考え方は、その頃感じた気持ちがそのまま続いているのだと思います。
人が人を想う気持ちの確かさと危うさ、人に依存することの喜びと悲しみ、出会いと別れ、強さと弱さ。
僕はこの本を通じて、恋愛というものは、好きであるとか愛しているというような一つの感情ではなく、人間のいろいろな気持ちをそっと優しく内包したものであるということを学んだ気がします。
今改めて読み直しても、僕はそう感じました。
大学生の頃、この本を読みその時受けた感動を今僕は再び受けています。
やはり僕はこの本がとても好きです。
村上春樹の流れるような文章と静かな感情の表現そしてノルウェイの森というタイトル。
僕の中では完璧としか言いようがない作品です。
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