
著者:平山 夢明
販売元:光文社
発売日:2007-06-20
おすすめ度:

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Tairaオススメ度:★★★
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前作『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社)で推理作家協会賞を受賞、さらに「このミステリーがすごい!2007年版」で第1位となるなど、小説界の話題を席巻した異才の第二短編集。
テレクラで売春する女たちを殺して皮を剥ぐ快楽殺人者たちを主人公にした表題作をはじめ、吸血鬼、食人鬼、人狼がこの最低な世界に跋扈する! 想像力と表現の限界に挑み続けた戦いの成果、7編を収録。
宮部みゆき氏轟沈!
「不用意に読んで2時間寝込みました。異形のマエストロ、凄すぎ。」
香山二三郎氏
「聖と俗、惨酷と哀愁のアクロバット。これぞ、平山大サーカス!」
中原昌也
「病的に乾いた笑いと、破けた糞袋・・・現代最狂ハードボイルド作家の放つ異臭を嗅げ!」
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先日読んだ「絶叫城殺人事件 - 有栖川 有栖」では、短編小説の短所である物足りなさを痛感させられましたが、今回読んだ「ミサイルマン - 平山 夢明」では、短編小説の長所であるテンポの良さと疾走感を十分に堪能することができました。
それにしても、今回はちょっとドロッとした雰囲気の本を読みたいな、という軽い気持ちでこの本を手に取ったのですが、想像していた以上の残酷かつグロテスクな描写にただただ圧倒されっぱなしでした。
平山夢明恐るべしです。
そういう意味では、短編小説という形でしか成り立たない内容なのではないかと思います。
こういう残酷的な描写が長編小説として描かれていたら、次第に残酷描写に慣れてしまい、より刺激の強い残酷描写のみを求めてしまうという、物語の手段としての残酷描写そのものが目的化してしまう事態になりかねないし、もしくは、途中で気分が悪くなり読破を断念してしまうかもしれません。
それくらい強烈な内容が、全ての編において、おどろおどろしくも淡々と描かれています。
僕は、あまりにも強烈な内容なので、何度もページを伏せては深呼吸をしてまた読み進めるという、読み方をしてしまいました。
いくつかの編では、物語として少々強引な展開があったような気がしますが、残酷描写に圧倒された僕の理解力が麻痺してしまっていただけなのかもしれません。
面白いか面白くないかで言えば面白い小説だとは思いますが、グロテスクな描写が苦手な人は手に取らないことを強くお勧めします。
今回は星3つでした。
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