
著者:倉阪 鬼一郎
販売元:幻冬舎
発売日:1999-07
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Tairaオススメ度:★
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恐怖と笑いは表裏一体。
含み笑いから爆笑まで、「七色の笑い」が楽しめる笑殺必至の13編を集めた、ミステリー連作短編集。
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表紙に惹かれて手にしたのがこの本。
結果、面白く読めたのは最初の2〜3編で、後はほぼ同じ物語設定が延々と続き、そのためユーモラスな雰囲気も面白さも持続せず、読破するのに少々苦労した小説でした。
物語の内容の大まかな設定は、主人公がついた些細な嘘が、刺激の少ない小さな田舎ではあっという間に広がってしまい、主人公はだんだん精神的に追いつめられ、ついにはついた嘘を隠すためにとんでもない事件を起こしてしまう。
13編のほぼ全てがこんな設定です。
例えば、東大に合格したという嘘をついてしまった主人公の話や、NHKのど自慢に出場し優勝したと嘘をついた主人公の話等々です。
くだらない嘘を、人が良い田舎の人達は疑うこと無く信じてしまい、主人公の気持ちはお構い無しに町を挙げてお祝いしてしまう。
こうも町全体で盛り上げられたら、きっと嘘だとは言えなくなるんだろうなって思います。
物語は軽いテンポでユーモラスに描かれているので面白く読めるのですが、こう何度も同じ設定を繰り返されるとどうしても飽きてしまいます。
僕としては、一つ一つの編をもっと長くして舞台のディテールにもう少し手を加えたら、より良い小説になったのではないかと思います。
軽いタッチの小説を読み終えた僕の机には、かなりのヘビー級であろうミステリー小説がドデンと控えています。
明日からしばらくの間ミステリーの魅力にどっぷり浸かってみようかと。
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