
前回からの続き。
高校3年生だった僕は、SKAの魅力を全校生徒に伝えたくて思い立ってSKAバンドを結成しました。その名も”SKATERS(スカターズ)”。
そして、ライブの舞台を、僕の高校で毎年行われていた卒業生を送る会的なイベントに選んでみました。
ところが。
その当時、僕の高校はバンドを組むことがとてもカッコ良いことと位置付けられていて、僕が狙っていたイベントにも当然沢山のバンドが出演を依頼しているところでした。
そんな訳で、僕らみたいなついさっき結成されたばかりの、しかもあまり聴いている人がいないSKAというジャンルのバンドには、このイベントの出演はなかなかの狭き門。
さてどうしようかと真剣に悩んでいた矢先、そんな数多くのバンドのトップ(技術的にもパフォーマンス的にも)に君臨する最強バンドのギタリスト君が、僕らのバンドに興味を持ってくれて、彼の一声でなんと2曲演奏させてもらえることに。
ただし条件として、演奏順番は一番最後で時間が押したら出演は無いとのこと。でもこれって逆に言い換えるとトリってこと。何たる光栄。
そんな訳で、僕達バンドは一生懸命練習しました。
相変わらず練習場所は空き地なので、ホーン隊は気持ち良く音が出せるのですが、ギターやベースは電源が無いため全く音が聞こえない。一番悲惨なのはドラムはバケツ2つだけという構成。
それでも練習はとてもとても楽しかったです。
ボーカルが早いとか、ギターソロがヘタクソだとか、ラッパの音が揺れているだとか。偉そうにああだこうだといいながらもみんなして「アハハ」と大声で笑いながらの練習でした。
そして本番当日です。
当イベントには計10バンド程が出演しました。
パンクあり、オールディーズあり、サイコビリーあり、ブルーハーツっぽいロックあり。
それぞれのバンドが思い思いに好きだと思うジャンルを気持ち良く演奏していました。
そんな中、僕達バンドの出演を認めてくれた最強バンド君達は、相変わらずの凄腕で、ほとんど全ての全校生徒から、「キャーステキー。」だとか「カッコ良すぎ。」等々の大喝采を浴びていました。さすがでした。
そして僕達バンドはというと、なんとかギリギリ2曲演奏できる時間をもらうことができました。
僕を含めメンバー全員がライブをする事が初めてで、みんなみんな緊張していました。
だけど僕らの高校生活ももう少しで終わり、これを楽しまないでいつ楽しむ。って感じのことをみんなして言い合いました。言っているうちにとても楽しい気分になりました。
そして出番の時間です。
僕達は、時間が少ないという事と、最初から全校生徒の前に立つのはとてもじゃないけど出来そうにないという理由から、準備の間は舞台の幕を下ろしてもらいました。
準備を終えた頃「次のバンドは”スカターズ”です。」という紹介の声。会場が爆笑(理由は前回の記事を参考)。舞台の幕がスルスルと開き始めました。と同時に僕達は演奏をスタートしました。
幕が上がりきった時、僕達の目の前には全校生徒。
これまでに感じたことの無い緊張と感動が僕を包みました。最高の気分です。
メンバーを見ると、みんなが笑顔でした。
演奏はあっという間に終わりました。
「ありがとうございました。」と言った僕達は、そこで初めて全校生徒の反応を確認することが出来ました。
拍手、拍手、拍手の大喝采でした。
控え室に戻った僕達は、みんな興奮してました。ウォー。とかイエー。とか言葉に出来ない感動を思い思いで表現していました。これまでに味わったことの無い感動でした。
やって良かった。心からそう思いました。
------------------------------
その時演奏した2曲のうちの1曲が、今日紹介するバスターズのこの曲でした。
卒業を控え、それぞれが将来に少なくとも不安を抱えている時期だったので、僕はこの曲を選びました。
”DON'T WORRY, BE HAPPY”
とっても良い言葉です。
今日、あの当時の練習時に一度だけ録ったカセットテープが見つかりました。
聴いてみると10数年経った今でも当時の楽しさを思い出すことができます。
機会があれば、このブログでも公開したいと思います。
コージ、ヒデヒロ、シンゴ、マッピィ、マッシ、トシカズ、ノリアキ。
あの時は本当にありがとう。楽しかったよ。そして今も楽しんでるか。俺は楽しくやってるよ。
自分で言うのもなんだけど、俺らは最高にカッコ良いスカターズだよ。
追記
”DON'T WORRY, BE HAPPY”は以下のサイトで試聴可能です。
disk union.net
コメント