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奴隷小説
桐野 夏生
文藝春秋
2015-01-30



Tairaオススメ度:★★★☆☆
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どこにも、逃げられないよ──。

長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう、という掟のある村で、ある少女が結婚相手として選ばれる「雀」。
ある日突然、武装集団によって、泥に囲まれた島に拉致された女子高生たちを描いた「泥」。
アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。
管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事し、時に動物より躊躇なく殺される。死と紙一重の鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)……など。

時代や場所にかかわらず、人間社会に現れる、さまざまな抑圧と奴隷状態。
それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きている。
あなたもすでに、現代というディストピアの奴隷なのかもしれない――。
様々な囚われの姿を容赦なく描いた七つの物語。
桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した異色短編集。
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理不尽ということを考えられるのは、それが理不尽だということを考えられる選択肢があるからなんだなと、この作品を読んで感じた。

人は自由と多様性を求め続けて一体どこに向かっていくのだろうか。

もしかすると、この作品に描かれるような世界に向かっているのではないだろうか。

なぜかそんなことを考えされられた物語の数々だった。