E7170345-C36E-4B2E-B169-6031E37F86D2

修羅の家
我孫子武丸
講談社
2020-04-14



Tairaオススメ度:★★★☆☆
---------
簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。
----------

実在した監禁事件を参考にしたような物語。

ただやはり、現実で起こった事件の方が陰惨で凄惨であまりにもひどすぎる内容だったので、物語としてインパクトに欠けるというか、逆にホッとするというか。

とはいえ、現実に起こった凄惨さを超えられないということは、作者が善良だからこそだと思うわけで、あのような鬼畜な蛮行は、人の心を欠片も持たない畜生だからだと、そう思う。

そういう意味で、この作品は、凄惨な内容を重ねていくかわりにミステリーの要素が盛り込まれているけれど、その内容が少し強引というか、中途半端というか、尻切れになってしまっているような、そんな印象を受けた。

悪の後ろにより強大な悪があるということであれば、そこも描いてほしかったなと。

それでも、さすが我孫子武丸の作品だけあって、物語に一気に引き込まれる文圧で、あっという間に読み進めることができた。