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Tairaオススメ度:★★★☆☆
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第9回『このミス』大賞受賞作品。
植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。
少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。
「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。
弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり―。
衝撃の結末と静謐な余韻が胸を打つ。
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僕は、現実なのか虚構なのかが曖昧に語られる物語はあまり好みではなくて、この作品もどちらかというとそういう内容の物語。

なので、途中で何度かつまづきそうになったけど、何とか読破。

そして感想はと言うと、不思議な余韻が残る読後感。

決して面白くないという訳ではなくて、切なさが心に静かに染みるような、そんな味わいのある読後感だった。

人にはそれぞれの想いがあって物語がある。それは時には誤っていると分かっていながら向かってしまう刹那的で儚さを伴うこともある。

そういうことを思う物語だった。

このミステリーがすごい!の大賞を取ったということもなんとなく分かるような気がする。