IMG_0406


切断 (角川文庫)
黒川 博行
KADOKAWA
2018-10-24



Tairaオススメ度:★★★☆☆
---------
大阪・阿波座の清友会病院で死体となって発見された水谷勝次は、右耳を切り取られ、耳穴には別人の小指が差し込まれていた。
続いて発見された死体は舌を切り取られ、水谷の耳を咥えていた。
異常な連続猟奇殺人犯の狙いは何なのか。
大阪府警捜査一課海部班の刑事・久松は、後輩の曾根と事件を追う。
犯人側と捜査側の2視点から炙り出されていく驚きの全貌とは。
初期作品の中でも異彩を放つ、濃厚な犯罪小説。
----------

物語の視点が、刑事側になったり犯人側になったり、時間軸も現在だったり過去だったり、それが終盤になるほど分かり難くなり今一つ物語に入り込めなかった。

犯人の動機や、犯罪に巻き込まれていった経緯も曖昧で、ただただ残酷な物語の展開に後味の悪さだけが残ったような読後感だった。

ただ、唐突に終わる物語の雰囲気も含め、荒々しさが貫かれた迫力のある小説だったとも思う。

バイオレンスとユーモアに溢れる今の黒川博行の作品も好きだけれど、疾走感溢れる昔の作品も僕は結構好きだなと。