Tairaオススメ度：★★★★☆

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麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。
拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。
麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。
セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。
一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され…。
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ありきたりな感想だけど、スマホが万が一悪意ある人に渡ってしまうと、この小説のように個人情報が全て晒されてしまうことになるんだろうなと、そんなことを思った。

そしてそれが、この小説のように綺麗な女性に繋がる可能性があるともなると、ここまでの展開はないにしても、少なからず何らかの個人情報は抜き取られてしまうのではないかと。

この小説は、現代の情報に対する無防備さというか他人任せにしている状況をうまく突いた興味深い内容だった。

ただ、中盤までの個人情報をどう盗み取りどう操作するのか等の盛り上がりに比べて、終盤の犯人との対峙は結局肉弾戦なのかと、ややがっかりしなくもなかった。

それでも、現代の情報ツールを盛り込んだミステリー小説は斬新で面白く読めた。