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卑怯者の流儀 (徳間文庫)
深町 秋生
徳間書店
2018-01-07



Tairaオススメ度:★★★★☆

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視庁組対四課の米沢英利に「女を捜して欲しい」とヤクザが頼み込んできた。
米沢は受け取った札束をポケットに入れ、夜の街へと繰り出す。
“悪い”捜査官のもとに飛び込んでくる数々の“黒い”依頼。解決のためには、組長を脅し、ソープ・キャバクラに足繁く通い、チンピラを失神させ、時に仲間である警察官への暴力も厭わない。
悪と正義の狭間でたったひとりの捜査がはじまる!
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とても読みやすく面白い小説だった。

出世を諦めた冴えない中年の刑事が、刑事という立場を利用して裏社会の相談事を解決していく。そんな物語が、ときにユーモラスに、ときにシリアスにと、人間味あふれる形で描かれている。

強さと弱さ、誠実さと不誠実さ、理想と現実、そういう相反する二つを同時に抱える人間の葛藤が、6つの物語として、時に静かに時に激しく描かれている。

とても面白い小説だった。