IMG_0149

武家屋敷の殺人 (講談社文庫)
小島 正樹
講談社
2016-08-11



Tairaオススメ度:★★★★★

----------
孤児院育ちの美女から生家を探してほしいとの依頼を受けた弁護士・川路。唯一の手がかりは、20年前の殺人と蘇るミイラについて書かれた異様な日記のみ。
友人・那珂の助けを借りてついに家を突き止めるが、そこは江戸時代から存続するいわく付きの武家屋敷だった。
そして新たな殺人が……。
謎とトリック2倍増しミステリ!
----------

とんでもない小説を読んだ。

作者本人が、やりすぎミステリー(やりミス)と評しているように、これでもかと言わんばかりの謎の数々と種明かしの数々。

謎が提示されて、その謎を解明して、また謎が提示されて、そしてまたその謎を解明して、と怒濤のごとく物語が展開していき、しかもその振り幅がどんどん大きくなっていくもんだから、読み終えたときにはもうクタクタに。

まさにジェットコースター的なミステリー小説という感じ。

かと言って、決して読みづらいとか面白くないという訳では全くなくて、物語の展開にきちんと沿った謎解きなので、冒頭から末尾まで飽きることなく一気に読める、とても面白い小説だった。

読み終えた後には、もう一度最初から一つ一つの謎を答え合わせしながら読み直すというのも面白いだろうなと思った。そういう意味でも、ジェットコースターの感覚と似ているのかもしれないなと思う。

久しぶりに、謎解きという醍醐味を存分に味わえた。そんな小説だった。

とても面白かった。