Tairaオススメ度：★★★★☆

----------
「頼子が死んだ」。
十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて刺殺、自らは死を選ぶ――という手記を残していた。
しかし、手記を読んだ名探偵法月綸太郎が真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が。
著者の転機となった記念碑的作品。
長く心に残る傑作!
----------

娘を殺された父親の手記から始まる物語。

父親は犯人を突き止め、復習を遂げ、自らも命を絶とうする、その経緯を手記に綴る。

一体この物語はどう展開していくのだろうかと、ハラハラドキドキしながら一気に読み終えました。

とても面白い小説でした。

一見単純な殺人事件が、不純な動機から再調査を行ってみたところ、予想だにしない展開の連続で、驚愕の真相にたどり着く。久しぶりにミステリー小説の醍醐味をこれでもかと味わいました。

一点だけ言わせてもらうと、主人公の法月倫太郎の立ち居振る舞いや言い回しがくどくて、思考のプロットに今ひとつ共感できず、真相を解明した際の爽快感を感じることができなかったことが、唯一残念に感じたところです。

それでも、ミステリー小説の楽しさを十二分に堪能できたし、何より、続きが早く読みたいと思った小説は久しぶりだったので、とても楽しい時間を過ごすことができました。

とても面白小説でした。