Tairaオススメ度:★★★★☆

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鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけいまさや)に届いた一通の手紙。
それは稀代の連続殺人鬼・榛村大和(はいむらやまと)からのものだった。
「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」
地域で人気のあるパン屋の元店主にして、自分のよき理解者であった大和に頼まれ、事件の再調査を始めた雅也。その人生に潜む負の連鎖を知るうち、雅也はなぜか大和に魅せられていき……
一つ一つの選択が明らかにしていく残酷な真実とは。
『チェインドッグ』を改題・文庫化。
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今回の出張中に読んだのがこの本。

24件の殺人容疑で対応されて、そのうちの9件が立件され死刑が確定しているけれど、9件目の殺人事件については冤罪と主張する殺人鬼からの依頼で、主人公の大学生が9件目の真犯人を調査するという内容。

人は何をもって悪とするのか善とするのか。

物語を読み進める内に、僕自身もすっかり悪に取り込まれてしまっていた。

結末が示されたとき、悔しいと思いつつも、いかに表面上だけで物事を判断してしまっているのかと恐怖を感じてしまった。

いろいろと考えさせられた、とても面白い小説だった。