疾走疾走
著者:重松 清
角川書店(2003-08)
販売元:Amazon.co.jp
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Tairaオススメ度:★★★★★

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犯罪へとひた走る14歳の孤独な魂を描いて読む者を圧倒する現代の黙示録。
一家離散、いじめ、暴力、セックス、バブル崩壊の爪痕、殺人……。
14歳の孤独な魂にとって、この世に安息の地はあるのか……。
直木賞作家が圧倒的な筆致で描く現代の黙示録。

剥き出し費の「人間」どもの営みと、苛烈を生き抜いた少年の奇跡。
比類なき感動の結末が待ち受ける現代の黙示録。
重松清畢生1100枚!
「どうして、にんげんは死ぬの?」舌足げなおまえの声が言う「にんげん」は、漢字の仏間」とも片仮名の「ニンゲン」とも違って、とてもやわらかだった。
そのくせ「死ぬ」は輪郭がくっきりとしていて、おとなが言う「死ぬ」のような照れやごまかしなどいっさいなく、まっすぐに、耳なのか胸なのか、とにかくまっすぐに、奥深くまで届く。
想像を絶する孤独のなか、ただ、他人とつながりたい…
それだけを胸に煉獄の道のりを懸命に走りつづけた「人の少年。現代日本に出現した奇跡の衝撃作、ついに刊行!
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すごい小説でした。

「すごい」という陳腐な言葉でしか表現できない自分の言葉の乏しさに憤りを覚えてしまいますが、とにかくすごい物語でした。

疾走。

何に向かっての疾走なのか、破滅なのか愛なのか、そもそも意味は無いのか。

そのどちらでもあり、どちらでもないのかも知れないなと僕は感じました。

物語のカタルシスについても、複雑なようで単純なようで、そもそもカタルシス自体がが存在しないような、とても不思議な印象を受けました。

他人の人生に暴力的に振り回される主人公シュウジの生涯を、淡々と激しく寂しく描く様は、僕の心を荒々しく揺さぶりました。

しかし何かが確実に僕の心に残りました。

今年読んだ本の中で間違いなく一番心に残った小説でした。

すごい小説でした。