となり町戦争となり町戦争
著者:三崎 亜記
集英社(2005-01-05)
販売元:Amazon.co.jp
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Tairaオススメ度:★★★★

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ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。
僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。
だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。
それでも戦争は着実に進んでいた―。
シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。
第17回小説すばる新人賞受賞作。
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とても不思議な雰囲気を持った小説でした。

静かに優しくそよぐ風のような雰囲気というか文体というか。

戦争を事務的な数あるお役所仕事の一つとして取り扱うという内容が、合理的かつ効率的なことが善しとされる現在あり方を、それとなく揶揄しているような、そういうことを僕は感じました。

ただ、香西さんという登場人物の設定を少し脚色しすぎた感は否めませんでした。

物語に起伏をもたらすということは理解できますが、香西さんの物語終盤の話の流れは、これまでの合理的かつ効率的な戦争に別の意味を持たしてしまっているように思え、とても残念な気持ちになりました。

それでも、僕はこの小説の雰囲気は嫌いではないです。