赤い指
著者:東野 圭吾
販売元:講談社
発売日:2006-07-25
おすすめ度:
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Tairaオススメ度:★★★★
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直木賞受賞後第一作。構想6年の後に書きあげられた書き下ろし長編小説、ついに登場!
身内の起こした殺人事件に直面した家族の、醜く、愚かな嘘に練馬署の名刑事、加賀恭一郎が立ち向かう。
ひとつの事件を中心に描き出されるさまざまな親子像。
東野圭吾にしか書き得ない、「家族」の物語。
『放課後』でのデビューから数えてちょうど60冊目にあたる記念碑的作品。
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とても面白い小説だと思ったし、静かに深く胸を打つ物語でもありました。
親が子を子が親を殺めるという、あまりにも悲しいニュースが溢れている昨今において、一つの事件をきっかけに親が子を思う無償の愛をテーマに描くこの物語は、とても考えさせられるものがありました。
ただ、確かに、物語を一つの面から見ると感動的ではありますが、側面から見ると、犯罪を犯した子供とその親との間に深い愛は存在し得たのかと、僕としてはテーマとのずれをやや感じずにはいられなかったとともに、子を殺された親の深い深い悲しみがなおざりにされているのではないかと考えずにはいられませんでした。
勿論、これ以上物語に要素を加えるとテーマそのものがぶれるとは思いますが、この辺りが曖昧なため、読み終えた後もどうしても納得できない感が残ってしまいました。
とは言え、やはり面白い小説だと思いました。
今回は星4つです。
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