毒殺魔の教室毒殺魔の教室
著者:塔山 郁
販売元:宝島社
発売日:2009-02-06
おすすめ度:3.5
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Tairaオススメ度:★★

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那由多小学校児童毒殺事件
男子児童が、クラスメイトの男子児童を教室内で毒殺した事件。
加害児童は、三日後に同じ毒により服毒自殺を遂げ、動機がはっきりとしないままに事件は幕を閉じた。
そのショッキングな事件から30年後、ある人物が当時の事件関係者たちを訪ね歩き始めた。
ところが、それぞれの証言や手紙などが語る事件の詳細は、微妙にズレている…。
やがて、隠されていた悪意の存在が露わになり始め、思いもよらない事実と、驚愕の真実が明かされていく。
『このミステリーがすごい!』大賞2009年、第7回優秀賞受賞作。
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湊かなえの「告白」を読んでいる僕としては、やはり物足りなさを感じてしまいました。

一つの事件が複数の視点から語られ、そこから少しずつ事件の真相に近づいていくという話の展開は緊張感を持って面白く読み進めることができたのですが、その真相そのものの印象が薄く、その真相をもって動機とするには、少々強引過ぎるのではないかと思ってしまいました。

また、舞台を小学校にしたことで、いろいろな制約が掛かり、物語の幅を狭めてしまっているように思えます。
高校を舞台にしていれば、より複雑な人間関係が描けたのではないかと考えると、少々残念に感じます。

文章はすっきりとしていてとても読みやすかったので、この作者の他の作品も読んでみたいと思います。

今回は星2つでした。