池袋ウエストゲートパーク
著者:石田 衣良
販売元:文藝春秋
発売日:1998-09
おすすめ度:
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Tairaオススメ度:★★★★
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刺す少年、消える少女、潰し合うギャング団…。
ストリートの「今」を鮮烈に刻む青春ミステリーのニュービート。
オール読物推理小説新人賞受賞。
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今回手に取ったのは結構話題になったこの本です。
この本は、前々からいつかは読んでみたいと思っていたものの、何故だかなかなか手にする機会が無かったのですが、先日図書館に行くと、返却されたばかり本が置かれたコーナーの一番手前にドデンと置かれていて、このタイミングを逃さないようにと借りて読んでみることに。
とても面白い小説でした。
一切の回りくどい表現を排した端的かつ軽い文体はサラサラサラと読み易くて、また1人称で語られる物語の展開も理解しやすく、最初から最後まであっという間に読み進めることができました。
物語は、表題作を含め、「エキサイタブルボーイ」、「オアシスの恋人」、「サンシャイン通り内戦」の計4題が収録されています。
それぞれの物語は、1話完結型で、比較的、起承転結がはっきりした物語構成となっています。
冒頭で何か事件が発生し、トラブルバスター的な役目を負わされている主人公が仲間達と共に事件を解決していく。簡単にまとめるとこういう展開です。
だけど、その中で語られる登場人物や舞台設定のディティールの程良いリアリティさと、登場人物の軽妙なセリフ回し、そして一人一人が突出して何かに秀でているのではなくて、不完全な個人個人が集まることで大きな何かを成し得るという設定が、僕としては素直に楽しむことができました。
やや場当たり的な行動が結果として解決に向かうという部分が気にならなくもないですが、短編小説なのでギリギリセーフというところでしょうか。
面白い小説でした。
続編が結構な数出ている理由も理解できます。
僕ももう少し読んでみたいと思います。
今回は星4つでした。
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