紗央里ちゃんの家紗央里ちゃんの家
著者:矢部 嵩
販売元:角川書店
発売日:2006-11
おすすめ度:3.0
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Tairaオススメ度:★

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叔母からの突然の電話で、祖母が風邪をこじらせて死んだと知らされた。
小学五年生の僕と父親を家に招き入れた叔母の腕もエプロンも真っ赤に染まり、変な臭いが充満していて、叔母夫婦に対する疑念は高まるけれど、急にいなくなったという従姉の紗央里ちゃんのことも、何を訊いてもはぐらかされるばかり。
洗面所の床から、ひからびた指の欠片を見つけた僕は、こっそり捜索をはじめるが…。
第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
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今回手に取ったのは第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作のこの本です。

そしてその感想はと言いますと「意味不明」の一言につきます。

はっきり言って何がなんだか理解不能です。
勿論、僕の読解力が低いってことも要因の一つですが、それにしてもこの小説のどこが怖くてどこがホラーなのかが僕には全く分かりません。

ただ単に、あまり気持ちの良いものではないスプラッター的な要素を、主点をはぐらかした文章で書き綴っているだけのような気がします。

祖母が風をこじらせて死んだらしいと伝える叔母。
叔母の家を訪ねると、エプロンや腕を血で染めた叔母が出迎える。
その家の娘の紗央里ちゃんは行方不明。
主人公の”僕”がお風呂に入ると洗面所の床からひからびた指を見つける。
”僕”は祖母の死体がこの家のどこかに隠されているのではないかと考え探索を始める。
結果、バラバラになった人間のパーツを至る所から発見する。
警察に連絡するとそれどころじゃないと電話を切られる。
”僕”は自分の唇の皮や頭皮を食べ始める。
祖父の様子も何だかおかしい。
死体散策をしているところを叔母に見つかり暴力を振るわれる。
それを見ても特に関心を示さない父親。
”僕”が父親にそのことを言うと、突然猛烈に切れだす父親。
突然現れる行方不明だった紗央里ちゃん。
おしまい。

以上が物語の全てです。
とにかく突っ込みどころ満載の内容です。

こうやって謎を謎のまま放り投げることがテクニックと言うならば、僕はそんな小説は今後一切読みたくありません。

この小説の文体は非常に読みやすかったので、もっと正統なミステリー小説を書いてほしいなと心から思います。

今回は星1つです。