首挽村の殺人首挽村の殺人
著者:大村 友貴美
販売元:角川書店
発売日:2007-07
おすすめ度:2.5
クチコミを見る


Tairaオススメ度:★

----------
「ますます事件は奇怪だ。尋常ではないね」
岩手県の雪深い村・鷲尻村。
無医村の状態が続いていたこの村に、東京から待望の医師・滝本志門がやってきた。
しかし、滝本の着任以後、村では謎の変死が立て続けに起こる。
それは、殺害後の遺体を異様な形で人目に触れさせるという、前代未聞の連続猟奇殺人事件だった。
この村が「首挽村」という不吉な名前で呼ばれる理由とは?村人すら忘れかけていた忌まわしい過去が、事件の真相を浮かび上がらせる―。
第27回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。
----------

何だか、後だしジャンケン的なミステリー小説でした。

物語の途中までは、やたらと間延びした事件の説明が長々と続き、正直読み進めるのに体力を必要としました。

ようやく物語の後半から話のテンポが良くなったかと思ったら、突然主人公的な人物があっさりと死んでしまいます。
何だか読んでいる僕は中に放られたようなただただあっけにとられるというか何と言うか。
それでも僕の心象はお構い無しに、物語は核となる中心人物が不在のままコロコロコロコロと転がっていきます。
何とか話の中心人物を二人に定めたかと思ったら、今度はその人物達があっさりと犯人を特定してしまいます。

しかし犯人の動機や猟奇的な犯罪現場の意味等は、まさに後だしジャンケン的な内容で、読み進める読者は想像すらできない物語展開に、読後スッキリしないというか不快というか。
しかも後だしジャンケンという大胆な禁じ手的な手法を使っているのにも関わらずあまりにも陳腐な犯罪動機に、ガッカリどころか感心さえしてしまいます。

首挽村と呼ばれていた頃の村の忌まわしき史実と事件の関係性の薄さ。
赤熊という凶悪な熊の出現と事件の関係性の意味の無さ。
物語当初の主人公的な人物が死ぬことの意味の無さ。
登場人物のキャラクター設定の弱さ。
そもそも推理小説に良くある主な登場人物の一覧を示したことの意味不明さ。
犯人の動機のバカバカしさ。

等々、僕として面白くなかった点を挙げてみました。
ということで今回は星1つでした。

これが横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作であることに疑問を感じます。
と言うよりもこの賞自体に疑問を感じました。

と言うことで次もこの賞に関係した本を読んでみようと思います。
さあどうか。