仄暗い水の底から仄暗い水の底から
著者:鈴木 光司
販売元:角川書店
発売日:1996-02
おすすめ度:4.0
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Tairaオススメ度:★★

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巨大都市の欲望を呑みつくす圧倒的な「水たまり」東京湾。
ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する湾岸の「埋立地」。
この不安定な領域に浮かんでは消えていく不可思議な出来事。
実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでしまったことを。
「リング」「らせん」の著者が筆力を尽くし、恐怖と感動を呼ぶカルトホラーの傑作。
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上記のうたい文句ほど、著者が筆力を尽くしたようにも、恐怖と感動を呼ぶカルトホラーの傑作にもなっていないように、僕は思います。

短編全ての物語が中途半端で、怖さを感じる前に強引に話が収束しているように思います。
いくつかの物語では、意味ありげな場面がそれとなく描かれるにも関わらず、それらの意味付けが中途半端にしか回収されていなかったり、もう少し掘り下げて語ってほしいと思うような場面がいともあっさりと語られていたりと。

文章が読み易く物語にするりと入り込めるだけに、とても物足りなさを感じました。

正直、リングにあった独特の怖さは全くもって感じられません。

あくまでも僕個人の感想です。あしからず。