庵堂三兄弟の聖職庵堂三兄弟の聖職
販売元:角川グループパブリッシング
発売日:2008-10-24
おすすめ度:3.0
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Tairaオススメ度:★★

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庵堂家は代々、遺体から箸や孫の手、バッグから花火まで、あらゆる製品を作り出す「遺工」を家業としてきた。
長男の正太郎は父の跡を継いだが、能力の限界を感じつつある。
次男の久就は都会生活で生きる実感を失いつつあり、三男の毅巳は暴走しがちな自分をやや持て余しながら長兄を手伝っている。
父親の七回忌を目前に久就が帰省し、久しぶりに三兄弟が集まった。
かつてなく難しい依頼も舞い込み、ますます騒がしくなった工房、それぞれの思いを抱く三兄弟の行方は?
第15回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
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感想を簡単にまとめると、舞城王太郎を読み易くした感じの文体でテンポよくサクサクと読めますが、内容は右から左に流れていき、読後は特に印象に残らない。
そんな本でした。

遺体の骨や皮からいろいろな道具を作り出す家業を営む兄弟の人間模様を描く、というかなり奇抜な物語設定は良くも悪くも理解しにくくて、この家業が崇高な行いであるかと言えば、物語の中では特にこれといった感動的な場面は描かれておらず、ただ単にグロテスクな表現の範疇でしかないように思います。

また、兄弟の人物設定も、長男は家業を粛々と勤しむという現実離れした設定かと思えば、次男は普通のサラリーマン生活に疲弊しているという現実的な設定で、三男はバイオレンスな性格をもてあましているという設定。こう書くと、かなりドラマチックな展開が期待できますが、実際には空回りしている感は否めず、今一つこれらの人物設定を活かしきれていないように思います。

物語の最後の展開も、無理矢理感動的っぽい話に仕上げていますが、結局のところ何が伝えたいのか僕には全く理解できませんでした。

読み易い本ではありますが、内容は今ひとつ面白みに欠ける。そんな本でした。