乳と卵乳と卵
著者:川上 未映子
販売元:文藝春秋
発売日:2008-02-22
おすすめ度:3.5
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Tairaオススメ度:★★★★

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姉とその娘が大阪からやってきた。
三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。
姪は言葉を発しない。
そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。
第138回芥川賞受賞作。
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いろいろと賛否両論ある独特な文体。
僕的には断然ありです。

体現止めというか、ぶつっと切られる文章。
心象と現実が行ったり来たりする語り口。
そんな文章で語られるいかにも日常的なエピソード。
それらがぴたっと気持ちよく合わさることで、ふんわりとした物語の中に自然と入り込んでいくことができました。

特段、非日常的な出来事がある訳でもなく内向的な気持ちが語られる訳でもない物語なのですが、不思議と印象的なドラマ性を感じさせる物語だと思いました。

こういう本を読むと毎日がドラマなんだよなって改めて思います。
繰り返し読みたいと思う本ではないと思いますが、僕は結構良い本だと思いますね。