白夜行



Tairaオススメ度:★★★★

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前作「秘密」で、温かくて切ない物語を紡いだ東野圭吾が、今回は読む者の心を冷え冷えと切なくさせる。
1973年に起こった質屋殺しがプロローグ。最後に被害者と会った女がガス中毒死して、事件は迷宮入りする。
物語の主人公は、質屋の息子と女の娘だ。当時小学生だった二人が成長し、社会で“活躍”するようになるまでを、世相とともに描ききる。
2人の人生は順風満帆ではなく、次々忌まわしい事件が降りかかる……。
当然ミステリーだから謎が隠されているわけだが、真相は途中で暗示されてしまう。
しかし謎の存在などどうでもよくなるほどのスケールの大きさが読後に残る。(石飛徳樹)
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