邪な囁き (角川ホラー文庫 78-15)


夏だ。ホラーだ。ってことで選んでみたのはこんな本。

最近ミステリー小説に食傷気味だったので、ミステリーっぽいけど違うジャンルということで角川ホラー文庫に目がない今日この頃。

さて感想は言うと、結構面白かったです。
たぶん全ての人の心に大なり小なり巣食うであろう”悪意”をテーマに描いた内容は、あり得ないと否定しつつも果たして完全に否定できるかどうかという複雑な心持ちにさせられました。
悪意を表に出すことと表に出さずに心に留めることとどちらが良いか?
当然表に出さない方が良いと思いますが、表に出すことができない悪意が心の中に深く濃く溜まっていくことも怖いと思います。

そういう人間の持つ悪意のバランスの危うさを絶妙に捉えた物語だと思います。
面白かったです。

この人の作品をもう少し読んでみたいと思いました。