世界の終わり、あるいは始まり


少し前にこの本を読みました。

なかなか興味深い内容でしたが、僕的にはもう少し物語にテンポの良さがあればなって思ったのが正直な感想ですね。

それにしても、自分の息子が連続殺人犯かも知れないという意外に盲点を突いたストーリーはとても面白くて、自分の息子を信じるべきか否かという究極の選択を迫られる父親の正直な感情の変化にぐいぐいと引きつけられ、早く早く先を読みたいと思わせる、ミステリーとして十二分に堪能できる内容だと思います。

物語の父親にとって”世界の終わり、あるいは始まり”どちらであろうか。
僕はこの小説を読み終えた後、この物語が現実ではなく小説であることに心から安心しました。
現実ではどちらの結果であっても否応無しに物語が続くからです。

もしかすると、この小説の面白さはこの読後の余韻にあるのかも知れないな。そう感じました。