13階段

「第47回江戸川乱歩賞受賞作」

やはりこういう見出しをみるとついつい手に取ってしまう。しかも買ってしまう。
そんなミーハー的な本の読み方が僕的には結構的を得ている。
ここ何年かの本を買う基準はそんなところ。

それにしても、何らかの賞を取る本はやはり読みやすくて、一気に本の世界観に引き込んでしまうところはさすがだなって思いますね。

この本も、「死刑が確定している囚人の無実を晴らせ!」っていう、現実からはかなりかけ離れすぎた目的で話が始まっていくのですが、主人公のどこか陰を感じさせる言動の描写や、主人公の心の変化等々が繊細に作り込まれていて、とても興味深く最後まで一気に読み進める事ができました。

また、この本は、死刑制度という難しいテーマを、いくつかの殺人事件にある背景を交互に描く事により、複雑過ぎずそれでいて単純になる事なく話を展開させていて、死刑制度が良いのか悪いのかを記す事なく読者に問いかけるまま話を終える内容も、とても面白い手法だなと思いました。

ちなみにこの本は映画化されているようです。
全く知りませんでした。
今週末にでもレンタルビデオ屋さんに探しにいこうと思います。
主人公の心の動きを映像でどのように表現したか楽しみです。