本日は「千夜千曲」はお休みして、ちょっと考えさせられる話を書いてみようかと。

「混合診療」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

今、日本の医療制度は国民皆保険制度といって、国民皆が公的保険に入り、何の制限もなく自由に病院や医師を選び、安い医療費で診察を受けることができます。

しかし、政府の規制改革・民間解放推進会議では、この公的保険を縮小し私的保険(企業による保険)を拡大することでいろいろなメリットがあると主張しています。

それでは、この「混合診療」とはなんであろうかと考えると、そのメリットの一つに、例えば日本では認められていない「抗がん剤」等を自由診療として受ける事ができるといったことが挙げられます。
しかし、自由診療ということは保険適用外の金額が発生するということで、患者さんの負担は限りなく大きくなります。というよりも所得の差によって受けられる治療が変わってくるということになってしまいます。

それじゃあ、日本で認めれていないが有効な「抗がん剤」を受けるなと言うことなのか。勿論そう言う訳ではありません。
簡単な話、有効な「抗がん剤」であれば、日本でも使用できるように、保険適用となるようにすればよいのです。面白いことにそれを決めるのも国の仕事です。

世界でも、日本の医療制度はとても素晴らしいものであると言われているそうです。
財政難の理由だけで、「混合診療」を認めてしまってもよいのだろうか。

ちなみに、政府の規制改革・民間解放推進会議には、医療関係者が一人も入っておりません。不思議だと思います。議長はオリックスの宮内会長です。なんだかよく分からなくなります。

といろいろと書いてみました。
これは僕が「混合診療」という言葉を聞き、これはなんのことだろうと思い、いろいろと調べ、感じたままを記してみたものであり、実際にはもっと複雑なことなのかも知れません。

何が言いたいかというと、こういった大きな世の中の変化を何も知らずにいることは嫌だということです。その変化に対して何の主張もできないかも知れないけれど、自分なりの意見というものを持っていたい。僕はそう思います。